海外での婚姻届:ハワイで法的に結婚する手順と、挙式のみとの違い

Shortlist Wedding 編集部最終更新日

海外で結婚式を挙げるとき、混乱しやすいのが婚姻届の扱いです。「ハワイで式を挙げたから入籍も済んだ」と思っていたら、実は法律上は何も起きていなかった。反対に、ハワイで法的に結婚したのに日本への届出を忘れていた。どちらも、仕組みを知っていれば防げます。

この記事では、日本人同士のカップルがハワイで結婚する場合を中心に、「法的婚姻」と「挙式のみ」の違い、ハワイ州での手続き、日本への婚姻届の出し方を順に説明します。日本人と外国籍の方の結婚では必要な書類が変わるため、提出先の窓口の案内を必ず確認してください。

法的婚姻と挙式のみの違い

比較の項目法的婚姻挙式のみ
結婚が成立する法律ハワイ州法日本の法律
ハワイでの手続き婚姻許可証の取得、州の免許を持つ司式者による挙式法的な手続きはなし
日本での手続き婚姻を報告する届出(報告的届出)婚姻届の提出によって結婚が成立
婚姻届の証人不要成年の証人2人以上
期限婚姻の成立から3か月以内期限はなく、提出した日が結婚した日

ハワイ州保健局は、婚姻許可証を「結婚を行うことを認めるもの」、婚姻証明書を「法的な結婚が行われたことを示すもの」と説明しています。許可証を取らずに挙げた式は、ハワイ州法上の結婚にはなりません。

法律上の仕組み

海外での結婚に関わる日本の法令は、主に次の3つです。

  • 法の適用に関する通則法24条:婚姻の成立は各当事者の本国法により、婚姻の方式は婚姻挙行地の法による。ハワイ州の方式に従えば、ハワイで結婚を成立させることができます。
  • 戸籍法41条:外国にいる日本人がその国の方式に従って婚姻の証書を作らせたときは、3か月以内に、その国に駐在する日本の大使、公使または領事に証書の謄本を提出しなければならない。
  • 民法739条:婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生ずる。届出は、当事者双方と成年の証人2人以上が署名した書面で行う。

挙式のみの場合は民法739条による通常の婚姻届を、法的婚姻の場合は戸籍法41条にもとづく報告の届出を行う、と整理すると分かりやすくなります。

ハワイ州での手続き

婚姻許可証の申請と受け取り

  1. 州のオンラインシステム「eMRS」で申請し、手数料65.00ドル(申請料60ドルとポータル利用料5ドル)を支払います。手数料は返金されません。申請後に表示される番号は、窓口での受け取りに使うので控えておきます。
  2. 挙式日の30日前以降に、州が認めた担当者(エージェント)と面会して許可証を受け取ります。ふたりそろって本人が出向く必要があり、代理人は認められていません。
  3. 受け取った許可証の発行日を含めて30日以内に、州の免許を持つ司式者のもとで式を挙げます。

オンライン申請は申請日から1年間有効です。許可証の効力はハワイ州内に限られ、発行後の待機期間はありません。

必要な書類と条件

  • パスポートなど、政府発行の写真付き身分証明書
  • 年齢を証明する書類(結婚できるのは18歳以上)
  • 前の婚姻の離婚が許可証の受け取り日の前30日以内に成立した場合は、離婚判決書
  • 英語以外の書類には、認証を受けた英訳

ハワイ州の居住や米国籍は条件になっておらず、血液検査もありません。

挙式後の電子認証

式のあと、司式者がオンラインで挙式を認証すると、ふたりは電子版の仮の婚姻証明書を確認できるようになります。ただし、日本への届出にはこの仮の証明書は使えません。

婚姻証明書を取り寄せる

日本への届出には、ハワイ州保健局が発行する婚姻証明書が必要です(在ホノルル日本国総領事館に出す場合は原本1通)。

  • 請求方法:オンライン、郵送、窓口のいずれか
  • 手数料:1通目10.00ドル、追加1通ごとに4.00ドル、別に一般管理手数料2.50ドル
  • 処理期間:保健局によれば通常最大4〜6週間
  • 請求できる人:本人と配偶者など

保健局は、婚姻証明書を請求するための日本語の請求書も公開しています。届出用とは別に控えを持っておきたい場合は、請求の際に通数を決めておくとよいでしょう。

日本への婚姻届:2つの提出先

ハワイ州の方式で結婚したあとの届出先は、主に2つあります。

在ホノルル日本国総領事館に提出する場合

在ホノルル日本国総領事館は、日本人同士がハワイ州の方式で婚姻した場合の必要書類として次を挙げています。

  • 婚姻届書 2通(証人の署名は不要)
  • 夫婦双方の日本のパスポート
  • ハワイ州発行の婚姻証明書の原本 1通(TEMPORARYのものは受付不可)
  • 婚姻証明書の和訳文 1通
  • 米国に住んでいる場合は、在留資格を証明する書類
  • 婚姻成立日から3か月を過ぎている場合は、遅延理由書 2通

総領事館の案内によれば、令和6年4月1日以降、在外公館への届出では原則として戸籍謄本は不要になりました(電子化されていない戸籍の場合を除く)。

日本の市区町村役場に提出する場合

帰国後に日本の役所へ直接届け出ることもできます。例として大田区は、海外で婚姻した場合の届出先を本籍地または住所地とし、次の書類を案内しています。

  • 婚姻届書 1通(配偶者の署名や証人は不要)
  • 婚姻した国の機関が発行した婚姻証書の謄本
  • 翻訳者を明らかにした日本語の訳文

法務省によれば、令和6年3月1日から、本籍地以外の市区町村に届け出る場合も、戸籍証明書の添付は原則として不要になっています。必要書類は自治体によって案内の仕方が異なるため、提出前に届け出る役所の窓口で確認してください。

3か月を過ぎてしまったら

戸籍法41条の期限は3か月です。在ホノルル日本国総領事館では、婚姻成立日から3か月を過ぎた場合、遅延理由書2通を添えて届け出ます。期限を過ぎたからといって届出が不要になるわけではありません。気づいた時点で、提出先の窓口に必要書類を確認して手続きしてください。

名字とパスポート、ESTA

民法750条は、夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称すると定めています。婚姻届にはどちらの氏にするかを記入します。

名字が変わると、パスポートの氏名にも影響します。米国税関・国境警備局は、パスポートを新しくした場合や氏名が変わった場合にはESTAの新たな申請が必要だとしています。挙式後すぐに再びハワイを訪れる予定があるなら、パスポートの切り替えとESTAの再申請の順番を考えておきましょう。

挙式のみを選ぶ場合

挙式のみなら、ハワイ州の婚姻許可証は必要ありません。法律上の結婚は、日本で婚姻届を提出した日に成立します。届出には成年の証人2人以上の署名が必要です。

日本で先に入籍してからハワイで式を挙げるか、帰国してから入籍するかは、ふたりの都合で選べます。結婚記念日をどちらにするかを先に決めると、必要な書類と手続きの順番がはっきりします。

あわせて読みたい

このガイドについて

Shortlistは英国を拠点とする独立したウェディング情報サイトです。ハワイの式場や事業者、手続きの代行業者とは提携していません。法令と手続きは、公的機関の一次情報で確認できた範囲で記載しています。

参考情報・出典

最終確認日:2026年10月23日。手続きや料金は変更されることがあります。必ず公式情報をご確認ください。

出典

「ハワイ結婚式ガイド」の記事一覧に戻る